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基礎知識

製造業のBCP対策とは? 「調達リスク」に備えるEMS/OEM活用事例をご紹介!

近年、大規模な自然災害、感染症、既存の取引先の倒産、事業縮小などが、企業活動に深刻な影響を与えているというニュースをよく耳にします。

特に、国内外に複雑なサプライチェーンを持つ製造業にとって、事業活動の停止は致命的な経営リスクに繋がります。万が一、自社や取引先の工場、物流が停止すれば、製品の供給が途絶え、顧客の信頼の喪失にも繋がります。そのような状況のなかで、製造業の経営課題として急速に重要性が高まっているのが「BCP対策」です。

本記事では、「製造業のBCP対策とは何か?」という基本から、製造業特有の課題である「調達リスク」への具体的な備え、そしてその解決策としてのOEM/EMSの活用法までを、事例を交えて詳しく解説します。

製造業におけるBCP対策とは?

BCPとは「Business Continuity Plan(事業継続計画)」の略称です。 企業が自然災害、システム障害、パンデミック、サプライチェーンの途絶といった緊急事態に遭遇した際に、損害を最小限に抑え、中核となる事業を「継続」あるいは「早期復旧」させるために、あらかじめ策定しておく計画のことを指します。

BCP対策と混同されがちなのが「防災対策」です。 防災対策は人命や建物・設備の「安全を守る」ことが目的であり、具体的には耐震補強、避難訓練、備蓄などが挙げられます。一方で、BCP対策は、緊急事態下で「事業を止めない・素早く復旧させる」ことが目的であり、代替生産体制の確保、重要データのバックアップ、仕入先の分散が挙げられます。

BCP対策は、防災対策のみならず、取引先の倒産などのサプライチェーン視点での対策も含まれます。
製造業においては、従業員と工場を守る「防災対策」はもちろんのこと、それに加えて「製品の供給を継続する」ためのBCP対策が不可欠です。

なぜ今、製造業にBCP対策が強く求められるのか?

製造業は、他の業種に比べてBCP対策が複雑で、かつ重要度が高いとされています。その理由は、製造業特有の以下のようなリスク構造にあります。

複雑なサプライチェーンへの依存
製造業では、1つの製品が完成するまでには、無数の部品メーカーや加工委託先が関わっています。自社が万全でも、サプライチェーン上の「1社」が停止するだけで、生産ライン全体が止まってしまいます。また、近年では既存の取引先の倒産・廃業や、事業縮小の影響から、取引先を再選定するケースも少なくありません。

物理的な生産拠点への依存
生産活動は「工場」という特定の場所に依存します。その工場が地震、水害、火災などで被災すれば、生産能力が一時的に失われたり、大幅に減少したりすることが考えられます。

代替が困難な設備・金型
製造に必要な専用設備や金型は、調達や修理に数ヶ月単位の時間がかかるケースが多く、生産に大きな影響を与えます。

製造業においては、これらのリスクに対応し、「いかなる時も供給を止めない」体制を築くためにも、BCP対策が重要です。

製造業におけるBCP対策のポイント

製造業がBCP対策を策定・実行する上で、具体的に注意すべき、重要な2つのポイントを解説します。

ポイント1:自社拠点の保守

まずは、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を守る対策です。これはBCPの土台となります。

  • ヒト(従業員)
    緊急連絡網の整備、安否確認システムの導入、リモートワーク体制の構築、多能工化教育。
  • モノ(工場・設備)
    工場の耐震化、水害ハザードマップの確認と重要設備の高所移転、自家発電設備の導入、専用金型や治具の予備保管・分散保管。
  • 情報(データ)
    設計図面、顧客データ、生産管理システムなどの重要データをクラウド上や遠隔地データセンターにバックアップ。

ポイント2:サプライチェーン対策

製造業のBCP対策において、自社内の対策と同じ、あるいはそれ以上に重要なのが「サプライチェーン」対策です。
また、近年では既存の取引先の倒産・廃業や、事業縮小の影響から、取引先を再選定するケースも少なくありません。どれだけ自社の製造環境の対策をしても、たった一つの部品や材料の供給が止まれば、製品は作れません。「調達リスク」は、製造業におけるBCP対策としては、最優先で取り組むべき課題です。

具体的には、以下の取り組みが求められます。

  • 仕入先の可視化
    主要部品だけでなく、その部品に使われる素材まで、「誰が」「どこで」作っているかを把握する。
  • リスク評価
    「この仕入先に依存しすぎている」「この仕入先は災害リスクの高い地域にある」といったリスクを把握することが重要です。
  • リスク分散
    • 取引先の分散
      一社依存を避け、複数の仕入先を確保する。
    • 代替部品の認定
      万が一の際に、すぐに切り替えられる代替部品をあらかじめ認定しておく。
    • 在庫の確保
      重要部品については、安全在庫を厚めに持つ。

しかし、多くの中堅・中小製造業にとって、これら全ての調達リスクを自社単独で調査し、無数の部品の代替ソースを確保し続けることは、膨大なコストと工数がかかり、現実的ではありません。

BCP対策としてのOEM/EMSとは?

自社単独でのサプライチェーンBCP対策が困難な場合、どうすればよいのでしょうか。 その最も現実的かつ効果的な解決策が、OEM/EMSパートナーの活用です。

EMS(Electronics Manufacturing Service)とは、電子機器の受託製造サービスのことです。

OEM/EMSパートナーは、単に「製造を代行する」だけでなく、本来は発注元が行うべき「部品調達」や「生産管理」も包括的に代行します。

BCP対策としてOEM/EMSを活用するとは、この「調達」と「生産」のプロセスを、自社よりも強靭な体制を持つ専門パートナーに委託することで、自社の調達リスク・生産リスクを能動的に低減させる経営戦略です。

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日東電気が提供するパートナーサービス

日東電気は、部品調達から設計支援(VA/VE)、基板実装、アッセンブリ、検査、物流までを一貫して請け負う「サービスの広さ」という強みに加え、国内外の生産拠点による安定供給が可能です。

1. OEM・EMSをグループ内で一貫対応体制

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日東電気では、基板設計・実装や、ダイカスト、プラスチック金型、射出成形、精密機械加工、FRPまで、社内で一貫対応いたします。BCP対策として、取引先を分散させることなく、生産拠点を国内外へ分散することが可能です。また、これらの多岐にわたる工程を「ワンストップ」で委託できるため、サプライチェーンを簡素化でき、管理コストを削減できます。また、一元化することで、問題発生時の連携や対応がスムーズになり、供給の途絶リスクを低減できます。

2. 国内外の生産拠点による「生産リスク」の低減

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日東電気では、マザー工場である国内拠点に加え、中国・ASEAN地域にも生産拠点を展開しています。海外のサプライヤーに依存している場合、地政学リスク、物流の混乱、為替変動などの影響を受けやすくなりますが、日東電気では、国内外に強固な生産基盤を持つため、国内サプライチェーンの構築・強化に繋がり、BCP対策として非常に有効になります。

BCP対策としてのOEM/EMS活用事例

弊社が提供可能なOEM/EMS活用事例をご紹介!

モバイルカー向け基板&ダイカスト筐体組立実装

こちらは次世代モバイルカー向けの基板&ダイカスト筐体組立実装事例です。基板サイズは200mm×200mm、製品サイズは500mm×500mm×200mmで、100個/月の量産品でした。次世代モバイルカー開発の担当者から直接お問い合わせをいただき、回路図はお客様にて作成・支給いただきました。当社の小山工場でアートワーク設計から基板実装、ハーネス加工まで対応し、水戸工場でダイカストケース製造(金型はお客様より支給)を実施いたしました。その後、組立から電気検査までワンストップで対応いたしました。

01_モバイルカー向け基板&ダイカスト筐体組立実装

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油圧制御用基板ボックスASSY品

こちらは油圧制御用基板ボックスASSY品です。油圧プレス機や成形機の心臓部となるコントローラー部分の基板で、表示操作基板・制御基板・出力基板の3枚で構成されております。基板サイズは200×100、500台/月のロット数でユニットOEM生産いたしました。

電子回路設計と基板アートワーク設計はお客様にて、当社では部品調達から基板実装(SMT、IMT、手はんだ付け)、AOI(外観検査)、ケース組立、最終のファンクション試験までを一貫して請け負いました。

油圧制御用基板

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関東・茨城でのBCP対策のことなら、OEM・EMSパートナーズ.comまで!

製造業のBCP対策として、すべてを自社単独で対応するには限界があります。 不確実性の高い現代において、強靭な調達網と幅広い生産・技術対応力を持つOEM/EMSパートナーと連携することが重要です。

「現在の仕入先に不安がある」 「サプライチェーンのBCP対策まで手が回っていない」 「災害やパンデミックに備え、生産拠点や調達先を分散させたい」

このようなお悩みを持つお客様は、ぜひ一度、日東電気にご相談ください。

OEM・EMSパートナーズ.comを運営する日東電気グループは、各種ユニット機器のOEMや、電子機器のEMSをグループ内でワンストップ対応いたします。基板設計・実装や、ダイカスト、プラスチック金型、射出成形、精密機械加工、FRPなど、各工場の持つソリューションを組み合わせて、すべて社内で一貫対応を行い、お客様の望む製品のOEM・EMS生産をご提供いたします。

日東電気グループは、OEM・EMSのベストパートナーです。ユニット部品OEM、電子機器EMSのことでお困りの方は、OEM・EMSパートナーズ.comまでまずはご相談ください!

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