混載実装とは?
現在は電子機器も高機能化されており、その数量も増えていることから、生産性や低コストを重要視され、特に量産工程では表面実装が多く採用されています。一方で挿入実装は信頼性が高くストレス耐性も高い用途で必要とされます。
この両方を兼ね備えたのが、混載実装です。表面実装と挿入実装のどちらも必要な混載実装は、信頼性が高くストレス耐性も必要な製品を、なるべくコストを抑えつつ量産が必要な製品に採用されます。
そして当サイトを運営する日東電気は、混載実装の実績を数多く有しており、また混載実装の前工程であるアートワーク設計から、後工程の筐体設計・製造まで、ワンストップで対応しております。
ここでは、SMT実装やIMT実装の違い、混載実装の概要、当社だからこそ可能な混載実装、そして実際に当社で製作してきた混載実装の製品事例まで、まとめてご紹介いたします。
SMT・IMTとは?
SMT(Surface Mount Technology)とは、電子部品を基板上に直接実装するための技術です。SMTは、効率的で高速な実装が可能であり、生産性の向上に貢献しています。SMTでは、基板上に部品を非常に密集して配置することができ、実装面積を最大限に活用することができます。
IMTとは、Insertion Mount Technologyの略称で、挿入実装のことで、ディスクリート実装とも呼ばれます。IMTでは、電子部品の電極リードを基板のスルーホールに挿入し、はんだ付けを行う実装方法です。挿入方法は、人の手による手挿入と、機械を用いたマシン挿入の2種類あります。
SMTとIMTの違いとは?
SMTとIMTの違いは、コストやレイアウトの自由度が挙げられます。
まず、SMTは表面実装であるため、基板の裏面が見えないために基板のレイアウトが自由度が高くなる一方、基板のコストが上昇するという特徴があります。一方、IMTは基板内部にコンポーネントを実装するため、基板のレイアウトに制約がありますが、基板のコストを抑えることができます。
混載実装とは?
混載実装は、同一基板上でスルーホール(IMT、DIP)実装と表面(SMT)実装の両方を実施する実装方法です。表面実装と挿入実装では、実装できる部品が異なるため、多様な部品の実装が求められる場合に混載実装が使用されます。
混載実装は工程が複雑になります。SMT部品とスルーホール部品の両方が使用される場合、まずは表面実装工程が行われ、その後挿入実装が行われます。そのため、どのような工程でリフローするのか、後付けはんだがいいのか等、工程設計力が重要となります。
また表面実装は生産性や低コストを重要視され、特に量産工程で多くなります。一方で挿入実装は信頼性が高くストレス耐性も高い用途で必要とされます。この両方を兼ね備えたのが、混載実装です。
つまり、表面実装と挿入実装のどちらも必要な混載実装は、信頼性が高くストレス耐性も必要な製品を、なるべくコストを抑えつつ量産が必要な製品に採用されます。例としては、下記のような用途で混載実装は使用されています。
・通信機器:通信装置、サーバ装置
・産業用コントローラ、鉄道用配電盤、映像処理装置
・充電・蓄電装置システム:急速充電装置、リチウムイオン蓄電システム、医療用電源ボックス
・産業機器:油圧制御ユニット、自動開閉器、リン除去装置、水素発生装置、冷却ファンモーター、パワーゲート
・輸送機:特殊車両、特装車、モバイルカー
日東電気だからこそ可能な混載実装とは?
当サイトを運営する日東電気では、これまでに数多くの混載実装を行ってまいりました。
SMT工程では、当社では各部品の実装要求に従い、適切な実装条件、リフロー条件を設定しております。そしてIMT工程では、DIPパレットを自社にて作製し、自動はんだ槽による手挿入部品のはんだ付けを対応しております。
また当社では、基板実装をするだけでなく、前後工程にも対応しております。基板実装前の基板アートワーク設計から、後工程の製品製作としてのOEM・EMSまで、ワンストップで対応しております。
そのため当社では、お客様の製品に合わせて最適なQCDバランスと要求仕様を満たした製品設計・製作を行っております。
基板実装に関する製品事例
続いて、実際に当社が製作した基板実装に関する製品事例をご紹介いたします。
モバイルカー向け基板&ダイカスト筐体組立実装
こちらは次世代モバイルカー向けの基板&ダイカスト筐体組立実装事例です。基板サイズは200×200、製品サイズは500×500×200で、100個/月の量産品でした。
次世代モバイルカー開発の担当者から直接お問い合わせをいただき、回路図はお客様にて作成・支給いただきました。当社の小山工場でアートワーク設計から基板実装、ハーネス加工まで対応し、水戸工場でダイカストケース製造(金型はお客様より支給)を実施いたしました。その後、組立から電気検査までワンストップで対応いたしました。
リチウムイオン蓄電システム
こちらは家庭用リチウムイオン蓄電システムです。基板サイズは330×250、製品サイズは530×650、200台/月のロット数でEMS生産いたしました。
お客様より詳細仕様をいただき、当社では基板アートワークの設計段階から携わらせていただきました。基板アートワークでは、電流容量を必要とする厚銅パターンであったため、はんだ上がりに配慮した設計が必要でした。装置組立では、現場の作業性を考慮した板金部品のVE提案を行うだけでなく、組立の要求仕様に従って組立用治具を考案・設計・作製も行いました。また本製品は防水が必要な製品だったため、要所にコーキングを実施し、さらに塗布量をコントロールするためにディスペンサを使用して塗布を実施いたしました。
シニアカー用インバーターユニット
こちらはシニアカー用インバーターユニットです。基板サイズは180×150、製品サイズは230×200で、100個/月の量産品でした。
シニアカーの開発担当者の方からご相談をいただき、当社の小山工場でアートワーク設計から基板実装、ハーネス加工まで対応し、水戸工場でダイカストケース製造(金型はお客様より支給)を実施いたしました。その後、組立から電気試験までワンストップで対応いたしました。
基板実装のことなら、OEM・EMSパートナーズ.comまで!
当サイトを運営する日東電気グループでは、基板アートワークの設計から混載実装、各種検査までをワンストップで対応しております。国内大手メーカー様の基板設計・実装工場として、当社をOEM・EMS先に選定いただきましたら、お客様のパートナー企業として様々な角度から技術提案をいたします。さらに当社では、部品の調達からアセンブリの工程管理まで、すべて請け負いますので、お客様の調達・管理コストの低減にも努めます。
基板実装のことでお困りの方は、OEM・EMSパートナーズ.comまでご相談ください。