不良を抑える！高気密なダイカスト製品製造のポイントとは？

ダイカスト

ダイカスト製品は、自動車産業や電子機器産業などさまざまな分野で広く使用されています。ダイカスト製品の気密性はこれらの用途において非常に重要です。例えば自動車のエンジン部品で気密性が低い場合は、エンジン内部のオイルや冷却液が漏れてしまい、エンジンの機能を損なう可能性があります。また、電子機器のケーシングなどでも気密性が高いと外部からの水や塵の浸入を防ぎ、内部の回路や部品を保護することが可能です。

今回は、ダイカスト製品において重要な要素の一つである、気密性についてご紹介いたします。

気密性とは

ダイカスト製品において、気密性とは製品内部への外部からの気体や液体の浸入を防ぐ性能のことを指します。つまり、製品が密封されていて、内部・外部からの影響を受けずに製品の機能を十分に発揮できる状態を指します。

気密性の重要性

気密性は、ダイカスト製品の品質と機能にとって非常に重要です。気密性が低いと外部からの気体や液体が製品内部に浸入し、製品の機能や耐久性に影響を与える可能性があります。また、気密性が低いと製品内部に水が侵入し、部品の腐食や内部機構の故障を引き起こすことがあります。

加えて、気密性が低いと環境への影響も考慮しなければなりません。製品内部から外部への気体や液体の漏れがあると、環境に有害な物質が放出される可能性があります。これは環境に対する負荷だけでなく、法的な問題や評判への影響も招く可能性があります。

気密性は製品の品質と耐久性、環境への影響に直結するため、非常に重要な要素です。

気密性と不良の関係性とは？

気密性が低いダイカスト製品は、さまざまな不良を引き起こす可能性があります。例えば、気密性の低い製品は、外部からの湿気や異物の侵入によって、部品の腐食や変形、動作の不良、電気的な故障を招くことがあります。

また、気密性が低い場合、製品の内部機構や部品の劣化や摩耗が進む可能性もあります。これにより、製品の寿命が短くなったり、メンテナンスや修理の頻度が増えたりすることが考えられます。

高気密なダイカスト製品製造のポイント

鋳巣不良を抑える

ダイカスト製品の気密性と鋳巣不良は密接に関連しています。

鋳巣は、金属の鋳造過程で生じる空洞や気泡のことを指します。鋳巣には主に3つの種類があり、その種類に合わせた対策が重要となってきます。そのため、ダイカスト製品の製造過程で鋳巣不良を適切にコントロールすることが重要です。適切な鋳型設計や適正な金属流れの確保など、製造工程全体での注意が必要となります。高い気密性を持つダイカスト製品を作るためには、鋳巣不良を防ぐことが欠かせません。それぞれの鋳巣不良の原因や対策について、詳しくは下記をご覧ください。

＞＞ダイカストにおける鋳巣不良の原因と対策を徹底解説！

適切な素材の選定

気密性を高めるためには、適切な素材を選定することが重要です。素材の密度や硬度、耐久性などを考慮し、気密性向上に寄与する素材を選ぶ必要があります。

設計と加工の精密さ

適切な設計と精密な加工によって、接合部や表面の微細な隙間を最小限に抑えることが重要です。細部まで配慮した設計と高精度な加工により、気密性を向上させることが可能です。

気密性試験の実施と改善

高気密なダイカスト製品を製造するためには、製品に対して定期的に気密性試験を実施することが重要です。上記に記載したようなポイントを意識して製造を行っても、どうしても鋳巣等が発生し、気密漏れが生じてしまう場合がございます。気密性の不良を素早く発見し、改善を実施することで、QCDに優れた高気密なダイカスト製品を製造することが可能となります。