茨城・北関東エリアのOEM・EMS対応企業をお探しの方へ

近年、茨城をはじめとした北関東エリアでOEMやEMSの委託先を探している企業が増えています。短納期対応や物流の効率性、そして地域密着によるスムーズな連携を重視する動きが強まる中、製造体制の見直しを進める企業にとって、地元の信頼できる製造パートナーの存在は欠かせません。
本記事では、OEMとEMSの基本的な違いから、茨城をはじめとした北関東で製造委託先が選ばれている理由、現場で直面しがちな課題、そしてそれらを解決する「日東電気グループ」の強みまでを詳しくご紹介します。
OEM・EMSとは?定義と役割について
製造業界では「OEM」「EMS」「ODM」といった用語が頻繁に使用されますが、実際にはその定義や業務範囲、契約上の立場などが曖昧なまま使われていることも少なくありません。
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、製品の製造を委託するビジネスモデルです。OEMでは、委託元企業が作成した製品図面や設計・仕様書、BOM(部品表)を基に、受託側が製造を請け負う形で製品が生産されます。日本語では「相手先ブランド名製造」とも呼ばれます。
自社で生産工場を持たないファブレスメーカーとしては、OEMにより製品の生産を委託することにより、効率的な生産とコスト削減を実現しています。またファブレスメーカーは、スマイルカーブの中でもより付加価値の高い製品企画・設計の前工程と、流通・販売・マーケティングの後工程に注力することができます。
ちなみにファブレスとは、自社で製造工場を持たず、製品の企画や開発、販売などに注力する企業形態です。一方、OEMは他社ブランド製品を製造する委託製造の形態を指し、主に製造を担う立場です。
EMS(Electronics Manufacturing Service)は、電子機器の受託生産を行うビジネスモデルです。EMSは、1980年代にアメリカのシリコンバレーで発展したビジネスモデルとされており、受託側は委託元である電子機器メーカーの一部機能を代行する形で、製品の設計から部品調達、製造、実装、組立、検査までの工程を請け負います。日本語では「電子機器受託生産」とも呼ばれます。現在では台湾や中国などアジア圏を中心に多数のEMS企業がグローバルに活動しています。
OEM、EMSの違いは明確なようでいて、実際のビジネス現場では混同されがちです。その理由として以下が挙げられます。
- 両者とも「製品を他社に作らせる」構図であること
- 契約形態や業務範囲が企業ごとに異なるため、線引きが曖昧になりやすいこと
- 海外と日本での用語の使われ方に差があること
例えば、日本では「OEM=委託元が設計した製品の製造委託」、「EMS=設計含めた一括請負」とされる傾向がありますが、海外ではそれほど明確な区分がされていない場合もあります。
北関東エリアでOEM・EMSパートナーを探すメーカーが増えている理由
近年、製造業界では北関東エリア(茨城・栃木・群馬・埼玉北部など)を製造拠点とするOEM・EMSパートナーを積極的に探す動きが顕著になっています。その背景には、従来の調達・生産体制を根本的に見直す必要性が高まっていることが挙げられます。
最大の理由は、コロナ禍以降に顕在化した“国内回帰”や“BCP強化”の動きです。特に東日本のメーカーにとっては、北関東地域は「地理的に近く、かつ製造インフラが整っている」ことから、サプライチェーンの見直し対象として最適なエリアとされています。関東圏内で完結する物流・打合せ体制を持つことで、リードタイムの短縮や意思疎通のスピードアップを実現できる点が大きなメリットです。
また、北関東地域は古くから部品加工・金型製作・基板実装・組立までの中小製造業が集積しており、業種特化・ニッチ対応に強い企業が多いこともポイントです。さらに、首都圏に比べて土地・人件費が抑えられるため、量産におけるコストパフォーマンスの高さも評価されています。
特に装置メーカーや電子機器メーカーのように、複合的な製品を一貫で任せられるパートナーを求める企業にとっては、北関東エリアに拠点を持ち、多工程を社内完結できるOEM・EMS企業の存在は非常に魅力的です。
このように、地の利と技術力を兼ね備えた北関東エリアは、「外注のリスクを減らしながら、内製と同等以上の品質・対応を得たい」という企業ニーズに応えるロケーションとなっているのです。
OEM・EMS調達におけるよくある課題と懸念点
OEMやEMSの外部委託には大きなメリットがありますが、製造現場・調達部門・開発部門においては、運用・実行段階で多くの課題や懸念が浮き彫りになります。
ここでは、製造業各社がOEM・EMSの委託先選定にあたり、実際に直面することの多い代表的な課題を整理してご紹介します。
複数サプライヤーとの調達・工程管理の煩雑化
多部品からなるユニット製品や電子機器を外部に委託する場合、基板、筐体、ケーブル、ハーネス、コネクタ、金属部品など、多種多様な構成部品ごとに異なるサプライヤーを個別に管理する必要が生じます。
その結果、以下のような調達業務の煩雑化が発生します。
- 部品ごとの見積・手配・納期管理の負荷増大
- 調達品の品質ばらつき、検収作業の工数増
- 各部品間で仕様変更が連携されないリスク
こうした分散調達体制は、設計変更への柔軟対応や工程全体のリードタイム最適化を困難にし、製造遅延や品質クレームの原因となることが多々あります。
工程間の連携不足による納期・品質トラブル
EMSやOEMで各工程を外部に委託する場合、工程ごとの管理体制がバラバラで、情報共有が十分に行われないという課題も頻発します。
たとえば、基板実装は完了しているが筐体が遅れている、検査工程が終わっていない、部品が一部入荷していない…といった状態で製品完成が遅延するケースです。
特に製造業においては、「最後の1点が欠けても製品は完成しない」ため、全工程を通じた進捗・納期・品質の一元管理体制がない場合、重大なトラブルへと発展するリスクがあります。
電子部品や材料の調達難・価格変動への対応困難
近年、電子部品(特にIC・コネクタ類)を中心に、世界的な供給逼迫や価格変動が激しくなっており、EMSパートナーによる調達対応力の差が明確化しています。
在庫管理や調達ルートを持たない企業に依頼した場合、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 希少部品の納期遅延による量産ストップ
- 代替部品の選定・技術的判断を発注元に求められる
- 購入価格の急変により、QCD計画が崩壊
このような状況では、調達リスクのコントロールまで行えるOEM/EMSパートナーの選定が重要になります。
製造はできても技術提案・設計支援が受けられない
OEM・EMSパートナーの中には、製造設備は整っていても、図面どおりに作るだけで“技術的な改善提案”や“設計段階でのフィードバック”ができない企業も存在します。
その結果、以下のような課題が発生します。
- VA/VE(価値向上/原価低減)提案がなく、コストが下がらない
- 図面に潜む設計不備や量産不適合が見逃される
- 製品立上げ後の不具合対応に時間と費用がかかる
試作・量産の成否は、設計段階での製造可否判断とプロセス設計に大きく左右されるため、設計からの“伴走力”を持つ企業の存在が極めて重要です。
このように、OEM・EMSの外部委託は、ただ価格や納期を比較するだけでは見えてこない、複合的で構造的な課題を内包しています。
これらの課題を同時に解決するためには、多工程を横断して一括管理でき、かつ技術提案・調達対応まで担える「包括型パートナー」の存在が不可欠なのです。
日東電気グループが選ばれる理由|7工場体制・一貫生産・調達代行でOEM/EMSをサポートいたします
OEM・EMSの委託先を選定する際、企業が重視するのは「対応範囲」「品質体制」「調達力」「技術提案力」の4点です。
日東電気グループでは、これらすべてにおいて高い水準で対応するために、7つの自社工場を横断的に連携させた社内一貫体制を構築しております。さらに調達・工程管理までを支援することで、発注元の手離れを大きく改善し、安心して任せられる製造パートナーとして選ばれ続けています。
以下では、日東電気グループが提供するOEM/EMSの差別化ポイントを具体的にご紹介します。
7工場が連携する「社内一貫体制」
日東電気グループの最大の特徴は、基板実装、ダイカスト、金型製作、プラスチック成形、FRP成形、精密機械加工、ユニットアセンブリなど、製造に必要なすべての主要工程を社内で完結できる点にあります。

これにより、委託企業であるお客様が煩雑な調整や外注手配を行うことなく、複数の工法が組み合わさった製品でもスムーズに立上げ・量産移行が可能となります。
社内間の連携が迅速かつ密接に行われるため、工程間のすり合わせミスが発生しにくく、設計変更にも柔軟かつ即応できる体制が整っています。
また、製品ごとに必要な工場を最適に組み合わせることで、技術的なシナジーと生産効率の最大化を実現します。
国内最大級11万平米の敷地と、充実した設備群
日東電気グループが保有する7工場の敷地面積は、合計で約11万平米。広大な生産空間を活用し、多種多様な加工・組立設備が導入されています。
これらの設備により、一般的なOEM・EMS企業では断られるような製品や、試作から量産へ段階的に移行するような製品にも柔軟に対応することができます。
工程管理・生産マネジメントまで任せられるOEM/EMS体制
単に製造を受託するだけでなく、日東電気グループでは製造プロジェクト全体を俯瞰した工程管理を行っています。
社内で各工程をつなぎ、納期・進捗・品質・コストを総合的にコントロールすることで、顧客側のマネジメント負荷を大幅に削減します。
とくにQCDバランス(品質・コスト・納期)の最適化においては、工程設計段階から出荷までの各プロセスを統括できるため、個別工程の最適化だけでは実現できない全体最適が可能になります。
煩雑な調達業務もすべて代行
OEMやEMSを委託する際、部品や材料の手配・在庫管理・納期管理といった調達業務は、最も手間のかかる業務の一つです。

日東電気グループでは、部品調達代行、相見積もり、サプライヤー選定などの調達業務を一括で引き受ける体制を整えています。
さらに、社内工場で対応が難しい内容についても、協力企業ネットワークを活用することで、製品全体の調達リスクを最小限に抑えた安定供給を実現します。
電子機器から産業装置まで、幅広い業種に対応
対応製品は、電子制御ユニット、小型ポンプ、各種センサー、筐体付き制御装置など、多岐にわたります。自動車部品、医療機器、環境機器、産業装置など、複数業種への実績があり、業界特有の品質要件や認証対応にも柔軟に応じています。
また、多品種小ロットや試作開発段階での対応力も評価されており、製品ライフサイクルの早い業界においても継続的な支援が可能です。
初期段階からの提案力と技術サポート
日東電気グループでは、製品の立ち上げ前段階からお客様と連携し、最適な製造プロセスや構成部品の提案を行います。
設計データの確認から製造可否の判断、工程の分割、VA/VE提案まで、一気通貫でサポートすることで、製品化のスピードと品質を両立させます。
また、基板設計・成形・金型など各分野に対応した技術資料やノウハウをまとめたハンドブックも無償で提供しており、開発現場とのスムーズな連携が可能です。
OEM・EMSパートナーズ.comが実施可能なOEM・EMS
当サイトを運営する日東電気では、様々な業界のお客様のパートナー企業として、OEM・EMS製品の製造を行ってまいりました。
当社で実施可能なOEM・EMSは下記の通りです。
- プラスチック・樹脂 射出成形OEM
- 基板設計・実装OEM
- ダイカストOEM
- 医療機器OEM
- 電子機器・装置EMS
- ユニット組立アセンブリOEM
当社の小山工場では、医療機器製造業許可を取得しております。そのため、各種医療機器のOEMにも対応しております。基板設計・実装から、筐体設計・部品調達、組立アセンブリまで、医療機器OEMをワンストップ対応いたします。
また医療機器のほかにも、様々な電子機器のOEM・EMSに対応しております。電源や制御機器、機械、装置組立など、多種多様な製品の製造パートナーとして各工場が稼働中です。詳細は下記ページをご覧ください。
日東電気グループ(NITTOCORP)は、アルミダイカスト、プラスチック、FRP製品の製作、プリント基板実装など、多岐にわたる製造加工業を展開しています。 製品開発、試作、少量生産、短期納期といったニーズにも対応しており、品質・コスト・納期の徹底追及を通じて顧客に貢献しています。
関東・茨城でのOEM・EMSのことなら、OEM・EMSパートナーズ.comまで!
OEM・EMSパートナーズ.comを運営する日東電気グループは、各種ユニット機器のOEMや、電子機器のEMSをグループ内でワンストップ対応いたします。基板設計・実装や、ダイカスト、プラスチック金型、射出成形、精密機械加工、FRPなど、各工場の持つソリューションを組み合わせて、すべて社内で一貫対応することで生まれるシナジーを創出し、お客様の望む製品のOEM・EMS生産をいたします。また、日東電気グループにてユニット部品の調達・製造をすべて対応するため、当社にOEM・EMS生産をご依頼いただけましたら、お客様のユニット部品生産における管理工数を低減いたします。
日東電気グループは、OEM・EMSのベストパートナーです。ユニット部品OEM、電子機器EMSのことでお困りの方は、OEM・EMSパートナーズ.comまでまずはご相談ください!
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