FSW（摩擦攪拌接合）

FSW（Friction Stir Welding、摩擦攪拌接合）とは、回転するツールをワークに押し付け、摩擦熱によって材料を軟化させ、接合部を塑性流動させながら接合する技術です。従来のアーク溶接と比較し、低温での接合が可能であり、強度の高い継手を形成することができます。

FSWの特長
・低エネルギー・高効率: 従来の溶接に比べエネルギー消費が少なく、省エネルギー性に優れています。
・高強度接合: 材料によっては継手効率が90%以上となり、強度低下を最小限に抑えることが可能です。
・異種材料の接合が可能: アルミ-銅、ハイテン材-アルミなどの異種金属の接合が実現。
・環境負荷の低減: シールドガス不要、ヒュームやスパッタの発生がなく、安全でクリーンなプロセス。

FSWは、回転するツールの摩擦熱を利用して材料を軟化させながら攪拌・接合する技術です。ツールは突起を持つ円筒状で、回転させながらワークに押し付け、材料を塑性流動させることで継ぎ目を形成します。

FSWのメリット・デメリット
メリット:
・添加材不要で母材の特性を維持
・低歪みで高精度な接合が可能
・騒音や粉塵が発生しない
・シールドガスが不要

デメリット:
・材料や板厚による接合条件の調整が必要
・バリの除去が必要な場合がある
・特定のツールや設備が必要

FSWは、自動車、航空宇宙、鉄道、造船、電子機器などの幅広い分野で利用されています。特に、アルミニウム合金の接合に優れた性能を発揮し、バッテリーケースや軽量化が求められる構造部品の製造に適しています。