ブローホール
ブローホール(blow hole)とは、ダイカスト製品の内部や表面近くに発生する気泡状の空洞のことを指します。鋳造工程中に金型内へ高圧で溶融金属を注入する際、内部に残った空気や金型内部のガス、水分などが逃げ切れずに巻き込まれたまま凝固することで発生します。
この空洞は外観では確認できない場合もあり、製品の内部品質に大きく影響を与えます。特に、強度が求められる部品や気密性・水密性が重要な製品では、重大な不良要因となるため注意が必要です。
ブローホールが発生する主な原因
ブローホールは、さまざまな要因で発生しますが、主に以下のような条件が原因となります。
- 空気の巻き込み:高速で溶湯を射出する際に空気が巻き込まれ、十分に排出されないまま凝固する
- 排気不良(ベント不足):金型に設けたガスの逃げ道(エアベント)が不十分で、ガスが閉じ込められる
- 離型剤や潤滑油のガス化:成形時に使用する離型剤や潤滑油が加熱されて気化し、ガスとして製品内部に残る
- 温度管理の不備:溶湯や金型の温度が不適切だと、湯流れが悪化してガス巻き込みが発生しやすくなる
- 金型設計の問題:ガス溜まりができやすい構造になっている場合、ブローホールが発生しやすくなる
ブローホールによる影響とリスク
ブローホールは製品の外観上は見えにくい欠陥ですが、内部構造に大きな問題を抱えるため、以下のようなリスクを伴います。
- 製品の強度低下:空洞によって応力集中が生じ、破損の原因になる
- 気密性・水密性の欠如:ブローホールが連通している場合、ガスや液体が漏れる
- 後工程への影響:溶接やメッキ処理を施す際に、ブローホールからガスが噴出し、欠陥や仕上がり不良を引き起こす
- 品質保証コストの増大:非破壊検査や手直しなどの対応が必要となり、工数・コストの増加に繋がる
ブローホールを防止するための対策
ブローホールの発生を防ぐには、設計・工程・材料管理の三位一体の対策が必要です。以下は代表的な対策の一例です。
- 排気構造の見直し(エアベント設計)
→ 金型設計段階から、空気やガスが効率よく抜けるような排気構造を設ける - 真空ダイカストの導入
→ 金型内の空気を排気しながら鋳造を行うことで、ガスの巻き込みを抑制 - 射出条件の最適化
→ 射出速度や圧力の設定を適切に制御し、ガスの巻き込みを最小限に抑える - 温度管理の徹底
→ 金型や溶湯の温度を安定させ、湯流れ性や凝固タイミングを最適化する - 離型剤の使用量・管理の徹底
→ 過剰な塗布や不適切な成分の使用はガス化リスクを高めるため、適正な管理が重要
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